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補聴器を売りたいなら補聴器を売るな。何を売る?

2016-11-08

もう15年も前の話になってしまいますが(歳取ったー!)、以前私は補聴器販売の仕事をしていました。
お客様の聴力を測定して、その方の聴こえ具合に合う補聴器をフィッティングするというものです。
(聾学校に通う子供たちの補聴器のメンテナンスや病院でのフィッティングなども行いました)

 

厳しいものではありませんが、他の業種と同じように補聴器の販売には支店ごとに目標値があります。

補聴器は大きく分けて2種類。
オーダーメイドと既製品があって、オーダーメイド補聴器の注文数が目標値の1つの指標となります。

 

もちろんオーダーメイドは既製品に比べて高額。
同程度の機能なら倍近い値段になることも少なくありませんでした。

 

さて、本題に入ります。

 

私のいた支店は他の店舗に比べて、庶民的な地域であったにも関わらず、
他の店舗に比べて高額なオーダーメイドの受注率が高かったんですね。
何度も報奨金を貰いました。
貰いすぎて他の支店よりも厳しい目標を設定されたほどでした。。。

 

なぜ他の店舗よりもオーダーメイド品を売ることが出来たか。

それは、補聴器を売るのではなく、
「つけてることを知られたくない」という悩みを解決するものを売っていたからです。

 

通常、聴こえに合った機種の「機能」を紹介するところから始めるのですが、
私のいた支店の店長は少し違う売り方をしていました。

オーダーメイドの機種がお客様の聴こえに合っていることが前提になりますが、
小型のオーダーメイド補聴器のサンプルを装着した(耳穴にスッポリ入れた)状態で接客をします。

お客様が、装着の目立ち具合について話し始めたところで
「僕、補聴器つけてたんですけど気づきました?」と尋ねながら、耳穴から補聴器を取り出すんです。

目の前にいる人が補聴器を装着していたのに、本当に全く気付かなかった!という体験は、装着への抵抗を解消してくれて、お客様はみなさん安心されたのだと思います。

 

当時は、その店長の売り方を批判する人もいたんですよ。
邪道じゃないか?という具合に。私も他の店舗とは明らかに違う売り方に反発を感じたこともありました。
でもその店長は本当によく売ってらっしゃったので、私も真似たら面白いように注文に繋がりました。

 

その店長の売り方って実はお客様の心に寄り添ったものだと思うのです。

最近は軽い難聴の方の相談も少なくありません。
少しの聴力低下であっても、商談で聞き間違いをしてしまうことがあったり、急に話しかけられると気づかずに相手を無視する形になってしまったり、全く聞こえないわけじゃないけど、聞こえにくくて困るという方は少なくないんですね。

そして、そういう方はやはり装着を気づかれたくないという思いの方が大半です。
補聴器のフィッティングという視点で考えると、その機種の音質や機能がどのように聴力に合うかという技術的な説明をしなければという使命感があるものですが、「目立たなさ」に重点をおいた紹介というのは、お客様の生活を想像した、お客様の立場に立ったものだと思うんです。

 

自分の扱っている商品やサービスを細かく紹介するのが誠実で大切なことだと考えがちですが、お客様が生活の場で感じる気持ちまで想像してみると、違う商品説明のアイデアが湧いてくるかもしれません。
今回は以前の職場のことを例にしましたが、この店長の売り方はホームページの原稿を考える時にもとても役立つものになるんじゃないかな?と思います。